【溶連菌大人編】治療薬は?完治までどれぐらいかかるの?
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溶連菌感染症はあまり馴染みのない病気ですが、薬を使ってしっかりと治療しておかないと再発したり、合併症を引き起こす可能性がある病気です。
初期にきっちりと治療し、その後も経過を観察し、他の人に感染させない、合併症のリスクを減らすなど、きめ細かい配慮をしましょう。
最も多く使われるペニシリン系抗生物質
まず治療に使われる薬から説明しましょう。
溶連菌感染症は大半が「A群β溶血性連鎖球菌」という細菌が原因となっています。このため、この細菌を完全に退治することが治療のポイントとなります。この感染症が原因とわかった時点で抗生物質が使用されます。
抗生物質中、主に処方されるのはペニシリン系、セフェム系、マクロライド系の3つです。よく知られるのはペニシリンで、A群β溶連菌はペニシリンに対する耐性菌が存在しないため、最もよく使用されます。溶連菌感染症と診断されると、このペニシリン系の薬(抗生物質)が10日から2週間経口投与するのが一般的です。
最近評価が高まっているのが、ペニシリンより強力なセフェム系の抗生物質です。その強力さはペニシリンと比べ、薬を飲む期間が半分でいい、という程です。
マクロライド系というのは、ペニシリンにアレルギー反応を起こしてしまう方向けです。ただし、従来から多く投与されてきたため、耐性菌があることが問題となっています。
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腎炎など合併症につながらないように要注意
ところで、この感染症は上に紹介したような薬で溶連菌を確実に退治しないと再発や合併症にまでつながることがあります。ですから医師から指示された期間、薬を確実に飲み完治させることがとても大切です。
合併症としては次のようなものが知られています。
続発性リウマチ熱、急性糸球体腎炎、中耳炎、副鼻腔炎
中でも、腎炎の発症が多いため、溶連菌感染発症後、1~2週間の時期に検尿を行うことがよい、とされています。
下の動画でもわかり易く解説してあります。
【動画】健康ぷらざ:溶連菌感染症(2015.6.7)
また、リウマチ熱は溶連菌感染症が治った後、2~3週間後に急に高熱を発症し、強い関節炎、心炎などが見られ、適切な治療を行わないと心臓の弁に障害が残ることもある怖い病気です。
しっかりと休み、服薬することが大切
この溶連菌感染症、免疫力が高い人は時に自然治癒をすることもあります。しかし、それは免疫力がとても高い、一部の人です。特に、疲労が重なると、治るのに時間がかかったり、長引いて合併症にかかるリスクも高くなります。
【出典】くらしの豆知識
ですから、感染したとわかったら、医師から処方された薬を一定期間きっちりと飲み、完全に治すことがとても大切です。
抗生物質を飲むと、1~2日で熱は下がり、全ての症状が消えるまでは1週間~10日間ほどを要する場合もあります。完治までは人それぞれですが、熱があるうちは仕事を休み、熱が下がれば他の人への感染に注意し、マスクなどをして出勤してもいいと思います。
治るまでは人との接触はできるだけ避けた方がいいでしょう。特に、食品を扱う仕事の方や接客業、福祉サービスに従事する方などは上司とよく相談することです。
まとめ
溶連菌感染症の治療には抗生物質(内服)が使われます。処方された薬をきちんと飲むことで1~2日で熱は下がりますが、完全に治るまでには1週間程度はかかるとみた方がよいでしょう。
安静にしていなかったり、服用をきちんと守らず、疲れていたり体力が落ちていると、リウマチ炎などの合併症のリスクもあります。職場では上司と相談し、治るまでは休み治療に専念することも大切です。