ADHDの遺伝確率は?母親・父親・子ごとの遺伝率○○%
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ADHDはかなり知られてきましたが、正式な名称は「注意欠陥多動性障害」(Attention defict Hyperactivity Disorder)です。
では、よく話題になるこの病気は親から子供へ遺伝するのでしょうか?
遺伝するとしたら、その確率とはどの程度なのでしょうか。ADHDと診断後の生活から症状の緩和などまでわかりやすくまとめてみました。
ADHDは最近になって医学的な定義や概要、発症頻度などが明らかにされた病気と言えます。
それによると、発症頻度は小学校の低学年で3~5%程度とされます。
30人のクラスだと1人か2人いるかどうか、といった感じです。
目次
ADHDの原因、いくつかの要因?
「注意欠陥・多動性」という病気の原因がどこから来るのか、それは脳機能のさまざまな障害と関連していると言われます。
遺伝的な要因を含め、脳損傷や神経化学的なもの、神経生理学的なもの、心理社会的なもの…といくつかの要因が重なっているともされます。
ですから、全てが「遺伝性」という訳ではなさそうです。しかし、一般的には、
①両親が2人ともADHDの場合は子供に遺伝する確率は最低で20%
②母親がそうである場合は同じく遺伝確率は7~8%
③父親は15%
④兄弟のうち1人がADHDだった場合、他の兄弟がそうである確率は25~35%
などの遺伝の確率が示されています。
父親がそうである場合は母親よりは少し高めです。
こうした確率を高い、と見るべきでしょうか。あるいはそれほどではない、と見るべきでしょうか?
仮に、子供さんがADHDだった場合、自分の経験も活かして温かい家庭生活を送れるようさまざまな配慮ができるかもしれません。
【出典】http://発達障害特徴.com/37.html
ADHDと診断される方は似たような特徴を持っていると言われます。
①状況を読まない
②思い込みや威圧感のある態度をとることが多い
③カッとなったり、短気である
などです。
家族で同じような傾向をうかがわせたら、遺伝的には高い確率ですので、ADHDである可能性が高そうです。
しかし、症状を緩和していく方法がない訳ではありませんので、ご安心を。
「心理社会的な治療」も重要です
ADHDの症状緩和のためには、次の2点が重要です。つまり、「薬物療法」と「心理社会的な治療」です。
しかし、薬物療法をしたからといってすぐに症状が軽快するという訳ではありません。
根気強く薬を飲みながら、心理社会的な治療プログラムを続け、症状をコントロールしていくことが大切です。
【動画】#3 ADHDとは
そうした対応を長く続けることによって症状が少しずつ変化し、本人も普通の人と変わらないような日常生活や社会生活を送れるようになってくる可能性が高まります。
この病気はこうした治療プログラムの実施と本人の成長で大人になると治っていた、とされるケースも少なくありません。
気長に家族も周囲の人も関係者も取り組むことがポイントでしょう。
自分を受け入れると人のことも受け入れやすくなる
そうはいっても私は変じゃないのかと思ったり、何故私がと考えてしまう方もいるのは間違いありません。
少しでも気持ちを安心させるためにADHDと診断された20代女性への質問、回答をご紹介します。
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Q.ご自身の経験を踏まえて、同じ障害をもつ人へのアドバイスはありますか?
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診断を受けて私は、自分が人と違うということを受け入れやすくなりました。そうすると、第三者のことも違うという前提でみられるので、受け入れやすくなります。
ADHDのためにできないことが、ふつうの人なら当たり前にできることなので、申し訳ないような気持ちになることもあるかもしれませんが、ただそれは、違うということなんだと今は思います。違うというだけで、自分が悪いわけではないことを知ってほしいと思います。
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Q.これからどんな生き方がしたいですか?
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幼い頃から人の役に立ちたいと思い続けてきました。今も、何か少しでも、人の力になれたらいいなと思っています。そのために自分も、自分自身の力になりたいな、元気でやっていきたいなと思います。
まとめ
ADHD(注意欠陥・多動性障害)はそれほど高い確率ではありませんが、遺伝性を示す病気だということをうかがわせます。
しかし、薬物治療や心理社会的な治療プログラムで改善していく病気でもあります。
粘り強く薬物療法と心理社会的な治療プログラムを行い、社会に出て行くアプローチをしましょう。